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甲状腺の病気

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甲状腺の病気

甲状腺の病気

甲状腺は首の前のやや下にあり、体の新陳代謝を行うホルモンを分泌する15~20g程度の小さい臓器です。何らかの理由でホルモンが多く分泌されると、代謝が活発になりすぎて、動悸や手の震えが出現することや、食べても食べてもやせるといったことが起こります。反対に、ホルモンの分泌が不足すると、代謝がにぶくなってしまい、疲れやすさや眠気が出現することや、むくみや体重増加が起きることがあります。また、甲状腺は思いのほかに腫瘍ができることが多い臓器でもあります。甲状腺の病気についてまとめましたので、ご参考にしていただければと思います。

甲状腺機能が亢進する病気

バセドウ病

甲状腺を刺激する抗体(抗TSHレセプター抗体:TRAb)が作られてしまい、その抗体が甲状腺を刺激することにより甲状腺ホルモンが過剰に産生される病気です。昔から言われている代表的な3つの症状は甲状腺が腫れること、眼球が突出すること、脈拍が速くなること(メルセブルグの三徴)です。血液検査で甲状腺ホルモン値(FT3、FT4、TSH)とTRAbを測定することで診断しますが、場合によってはアイソトープ検査などが必要になることがあります。主な治療には①内服治療、②アイソトープ(放射性ヨウ素)治療、③手術があります。内服治療では抗甲状腺薬(商品名:メルカゾール錠、チウラジール錠/プロパジール錠)や無機ヨウ素薬が処方されます。治療にはそれぞれ特徴や制限もありますので、患者様の状況にあわせてご相談しながら選択していきます。

亜急性甲状腺炎

甲状腺に炎症が起きて、首の前に痛みや発熱を伴う病気です。風邪のような症状に続いて起こることが多く、発症にウイルスが関与しているのではないかと考えられています。炎症により甲状腺内に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血中に出てきて、バセドウ病と似た甲状腺機能亢進症状が出現します。炎症が落ち着くと症状は次第に改善します。治療はステロイド薬もしくは非ステロイド性抗炎症薬の処方を行います。

無痛性甲状腺炎

何らかの原因で甲状腺組織が破壊され甲状腺ホルモンが血液中に流れてしまい一時的な甲状腺機能亢進症となります。橋本病の方に発症することが多く、痛みがないことが亜急性甲状腺炎との違いです。基本的には経過観察のみで数か月以内に改善することが多いです。

中毒性単結節性(多結節性)甲状腺腫

甲状腺の腫瘤から甲状腺ホルモンを過剰に分泌してしまう病気です。腫瘤が1つの場合はプランマー病ともいいます。治療はアイソトープ(放射性ヨウ素)治療もしくは手術となります。

甲状腺機能が低下する病気

橋本病(慢性甲状腺炎)

橋本病は自己抗体(抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体)が甲状腺に慢性的な炎症を引き起こしてしまう病気で、慢性甲状腺炎とも言います。血液検査で抗サイログロブリン抗体もしくは抗TPO抗体が陽性であれば橋本病と診断されますが、甲状腺機能が正常であれば特に治療は必要ありません。甲状腺の腫れを伴うことがあり、比較的硬く、表面はゴツゴツしている傾向があります。分泌するホルモンの量が減って甲状腺機能低下症になると、むくみ、体重増加、疲れやすさなどの症状が出現します。治療として甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂンS錠)の内服を行います。

甲状腺機能低下と妊娠

甲状腺ホルモンが不足していると、妊娠しにくくなることや、妊娠後も流産や早産のリスクが上がることがわかっています。甲状腺ホルモンは胎盤を通して胎児に移行し、胎児の知能を含めた身体発育に重要な働きをします。不妊治療中や妊娠中の方は血液検査で甲状腺ホルモン値を測定し、その値によっては甲状腺ホルモン薬(商品名:チラーヂンS錠)の内服を開始することが推奨されています。甲状腺機能のコントロールはTSHを指標とし、やや短い受診間隔で内服量の調整を行います。

甲状腺の良性腫瘍

腺腫様甲状腺腫

甲状腺の細胞が増殖して腫瘤状に発達しているもので、甲状腺内に小さいものが1つから数個できること(腺腫様結節と言います)や、たくさんできて甲状腺全体が腫れることがあります。大きく腫れることにより喉の圧迫感や飲み込むときの違和感などの症状がある場合、もしくは悪性の可能性が否定できない場合は手術を行うことがあります。

濾胞腺腫(濾胞性腫瘍)

良性腫瘍ですが、細胞診を行っても甲状腺の悪性腫瘍である濾胞がんとの区別がつかないため、総合的な評価が必要となります。腫瘤のサイズ、細胞診の結果、血中サイログロブリン値、増大傾向の有無などを参考にして、手術による摘出が必要かどうかを判断いたします。

甲状腺の悪性腫瘍

乳頭がん

甲状腺がんの中で一番頻度が高く、90%を占めます。進行が遅く、おとなしいがんであることがわかっています。穿刺吸引細胞診により、比較的容易に診断することができます。基本的には手術が必要ですが、1cm以下で気管や神経などの重要組織から離れている場合は手術をせずに経過観察することもできます。

濾胞がん

甲状腺がんの中で5%を占めます。こちらもおとなしいがんであることがほとんどですが、中には肺や骨に転移するものもあります。細胞の形状だけでは良性の濾胞腺腫と区別することができないため、診断には手術による切除が必要となります。

髄様がん

甲状腺がんの中の1-2%を占め、遺伝子異常(RET遺伝子)を伴うものと、伴わないものがあります。遺伝子異常を伴う場合はご家族も髄様がんを発症することがあり、さらに褐色細胞腫や副甲状腺機能亢進症といった内分泌疾患を併発することがあります。血液検査で腫瘍マーカーのCEAやカルシトニンが上昇することがあります。

未分化がん

とてもまれながんですが、急速に増大する腫瘤を伴うことが多く、生命予後は極めて不良です。発症する方は高齢であることが多いです。長年にわたって存在していた乳頭がんや濾胞がんの性質が突然変わって未分化がんになることがあります(未分化転化)。

悪性リンパ腫

橋本病に合併することがあるまれな悪性腫瘍です。診断には切除生検が必要となります。生命予後は比較的良好で、治療は総合病院の血液内科・腫瘍内科で放射線療法や化学療法を行います。

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